本日行われた民主党代表選挙では、約60%の得票により菅直人氏が再選されました。私は、ある意味で小沢一郎氏を支持していましたが、その理由等も含めて代表選挙に対する感想を記したいと思います。今後も、民主党政権を応援・批判していきます。
今回の投票結果の内訳は以下のとおりでした。
| 党員・サポーター | 地方議員 | 国会議員 | 合計 |
菅直人 |
249 |
60 |
412 |
721 |
小沢一郎 |
51 |
40 |
400 |
491 |
この表からわかるように、サポーター票で大きく差がついています。差が大きく付いた直接的な原因には
小選挙区制の問題があります。実際の票数では概数で菅氏14万票、小沢氏9万票となっており
*1、これを地方議員と同じくドント式で分配すれば、菅氏6割、小沢氏4割程度です。つまり、党員・サポーターの動向と地方議員の動向は、大きな違いはなかったといえるでしょう。しかし、その差は置いておくとしても、菅氏は安定的に勝利しました。その理由には、「まだ3か月なのでこのまま継続して欲しい」ということや、「政治と金」に対する嫌悪感もあったのではないかと思っています。
私は、どちらかといえば小沢氏を支持していました。その理由は、個々の具体的な政策の内容ではなく、もっと大枠の「政治主導の徹底」と「
記者クラブの解体」、「検察取調べの可視化」の3点を実現するのには、小沢氏が矢面に立つのがふさわしいと思ったことです。小沢氏は2009年に大きく報道されたの
西松建設事件の際も、その後
陸山会の土地問題の際も「やましいことはない」として、その責任ある立場を辞することなく潔白を訴えました。具体的な内容については別エントリで言及したので、
「小沢一郎『問題』」をご覧ください。それに対して菅氏は自身の
年金問題において、最初はその立場で潔白を主張しながらも2週間あまりで代表を辞してしまいました。これらの事件は、小沢氏にも菅氏にも責められるべき点はないにもかかわらず、官僚からのリークによってメディアが推し進めたバッシングです。両氏とも非常に厳しい時期だったと思いますし、それで辞任したことを責めるものでもありません。しかし、今後、本当に上記3点を実現しようとすれば、官僚、メディアからの
スクラム攻撃はより厳しくなるでしょう。その意味では、小沢氏は「もう叩かれているから
*2」として、さらに叩かれても動じない姿勢を見せており、矢面に立つのであれば小沢氏であると、私が思った理由がそこにあります。個々の政策論でいえば、私の考えは菅氏に近いと思います。小沢氏を矢面に立たせ、菅氏がその影で自身の政策を実現していくという構図ができれば、一番望ましいものだったかなと思っています。
いずれにしても、私は是々非々ではありますが現政権を支持しています。上記で挙げた3点も、
民主党政権に交代してから、少しずつではありますが進展しているように思います。今回、代表選挙回避に向けた動きがありながらも、オープンな人事のために選挙を実施できたことも、
民主党の底力であると思います。今後も、「私たちの政治・政策」が実現されるように、現政権を応援・批判していきたいと考えています。